「フルアニメ」と「リミテッド・アニメ」について


たまには映像作家らしい事を書いてみます(笑)

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映画(フィルム)は基本的に1秒間に24のコマを映して動画になります。

●フルアニメ
は、1秒間に24コマの絵を描いてます。また、
動物ならば頭も手足も口も目もシッポも、
全てのパーツが24コマ動いてます。

背景についても、描き込み、枚数ともに質が高い。

なので膨大な資金と人員、時間をかけて制作されます。
ディズニーアニメがまさにそれです。が、ディズニーが
至高というわけじゃなく、ディズニーに動物作品が多いのは
人間のフルアニメは更に難しいのでそれを避けているためです。

日本では「東映動画」が制作した「白蛇伝」時代の幾つかの
アニメがリミテッドじゃないアニメに当たるらしいのですが、
僕はまだ映像を探し中で観られてないので、参考までに。


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●リミテッドアニメ
は、1秒間に12コマ、8コマ、4コマなど、
コマを落として簡略化した手法です。また、
動物なら口パクだけの3コマで、頭や手足は1コマの止め絵で
済ませてます。

背景を海とか空にすれば青一色で済むので(笑)、
舞台設定を予算にあわせて変更する事もあります。

週1回のペースでアニメを放送するので、予算や時間や人員も
リミットが低いので、決して手抜きではなく、効率化と視覚効果を
考え抜て導き出された技法です。

手塚プロの「鉄腕アトム」からはじまり、
「海のトリトン」なんかは酷い出来ですが(笑)
ストーリーはカッチリしてますし、逆に「止め絵」が
眼に焼き付く効果があります。

アトムの時代以降は「リミテッド手法」と「コマ減らし=手抜き」の区別が
つかなくなって駄作が増えてしまったのも事実。

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フルアニメもリミテッドアニメも、上記のような概念的な呼び方であって
明確な定義ではない。

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●バンク・システム
要するに、一度書いた絵を使い回しすること。
飲食店でパセリを何度も使い回しするのと同じ(笑)。

もちろん、リミテッドアニメの手法の一部。

やはり、最近のアニメではバンクを手抜きに使ってる
駄作も多く、観るに耐えない。


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●「ヤシガニ事件」「ヤシガニ問題」。

手抜きもあるけど、技術不足、予算不足、そんな大人の事情で、
未完成のまま放映されてしまったアニメ「ヤシガニ屠る」(ほふる)。
後日、関係者も「あの時は・・・」とコメントしたので話題になった。

それ以降、手抜き、未完成、作画破綻したアニメを「ヤシガニだな。」と
表現する。
by nopain-nogain | 2008-08-07 05:56 | 映像・音楽・本 | Comments(0)


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